イルカBullet【S3/最終44位】

構築記事

SVシーズン3で使用した構築を紹介します。

【使用構築】

 ※本構築はイカタコ(@ikatako94)様と共同で組んだ構築になります。便宜上以下では触れませんが、イカタコ様の力によるところも大きいことはご承知おきください。

構築経緯

①クッション型のハッサムからスタート

 全ポケモンの中で極めて性能が高いと感じたハッサムから構築をスタートしました。ハッサムはクッションとアタッカーの役割を使い分けられるのが最大の強みだと思い、対面操作+アタッカーを構築の軸とし、対戦の中で個々の役割を変えていける構築をコンセプトとしました。このコンセプトはテラスタルにより対戦が流動的になりやすい9世代ルールにマッチしていると考えました。

②様子見役としてスナノケガワを採用

 対戦中に役割を変えていくためには、初手では様子見しながら動きたいと思いました。また、軸のハッサムが役割を使い分ける場合、取り巻きのポケモンも相応に役割が変わると、連携が取れて強力だと感じました。そこで出落ちしにくい耐久値があり、ボルトチェンジによる対面操作が可能なスナノケガワを様子見役として採用しました。加えて火力と技範囲により、崩しのアタッカーが担える点がコンセプトに合致していると考えました。

③アタッカー役としてカイリューを採用

 構築の軸である対面操作から展開し崩していくアタッカーの1体目として、一貫しやすい高火力で殴っていけるカイリューを採用しました。崩し性能に加えて、特性による行動保障と高火力先制技の存在から、起点になりやすいクッション役をカバーできる点が相性が良いと感じました。特に先制技の存在は、ハッサムと併せて高速アタッカーを縛っていく立ち回りができ、崩しだけでなく通しの役割を担える点もコンセプトに合致しています。

④アタッカー役としてイルカマンを採用

 アタッカーの2体目として、カイリューと攻めの補完が良く、カイリューが出せない構築に選出しやすい点を評価してイルカマンを採用しました。イルカマンもカイリュー同様高火力先制技を持つことから同じ役割をこなせ、広いパーティにコンセプトの動きを通すことができます。また、スナノケガワを初手に出しにくい相手に対して初手に出しやすいことが多く、様子見の役割までを担える点も評価しました。

⑤崩し枠としてテツノブジンを採用

 ここまでのアタッカーが単調な高火力ポケモンであり、受けに寄ったポケモンや搦め手に対して後手に回るため、それらの対策枠としてテツノブジンを採用しました。高い素早さにより通しアタッカーの役割も持てるため、受け特化の構築以外にも選出していける点が評価点になります。

⑥崩し枠としてマスカーニャを採用

 受け特化の構築に対してはテツノブジンだけでは崩せないため補佐が可能なポケモンが必要でした。また、ここまでで高速アタッカーが先制技以外で縛れないため、上から縛れるポケモンも欲しいと感じました。そこで、上からの縛りと崩し補佐が可能なマスカーニャを採用し構築を決定しました。



個体解説

①ハッサム

✓調整意図
HB:特化珠ミミッキュのA↑2テラスタルシャドークロー確定耐え
HD:特化サーフゴーのシャドーボールでオボン確定発動
A:無降りミミッキュ確定+α
S:ミラー、ブラッキー抜かれ

 HBベースのハッサムです。自身が通る場合は通しエースとして、通らない場合はクッションに努め対面操作を行うことで、選出時に腐ることがまずなく、構築の主軸として採用しました。基本的にはクッションとして動かし、アタッカーで相手のサイクルを崩壊させた後に、残りを掃除する運用を行います。そのためクッションとしての役割を持たせやすく、積み用の体力も残しやすい耐久厚めの調整でオボンのみを持たせました。
 技構成は、上記の動きを成立させる「バレットパンチ」、「とんぼがえり」、「つるぎのまい」に加えて、炎タイプとサーフゴーに打点の持てる「どろぼう」にしました。副産物として回復を食べ残しに依存しているポケモンに対する崩しとしても機能しました。テラスタイプは炎とやけどに耐性がつくこと、フェアリー、草、鋼などのハッサムに欲しい耐性を残したまま動けることから「ほのお」にしました。



②スナノケガワ

✓調整意図
HD:C176眼鏡テツノツツミのれいとうビーム75%耐え
C:H振りラウドボーンを等倍で押せる程度
S:準速カイリュー抜き

 HCベースのチョッキスナノケガワです。初手の様子見要因として採用で、とつげきチョッキを持たせることで即落ちしづらい耐久値になり、ボルトチェンジにより展開していきます。またチョッキによりハッサムでカバーしづらい特殊に対するクッションとしても機能するため、アタッカーの運用の安定感が増します。環境で流行していたセグレイブ軸に対して初手に投げづらいのはネックでしたが、それには後述のアタッカー枠が初手に出しやすいためカバーできました。様子見役でありながら、一致技の範囲により主流な受けポケモンに対して、崩しアタッカーとしても機能する点がメリットで、コンセプトの成立に繋がっています。
 技構成はメインウェポンの「10まんボルト」、「だいちのちから」、採用理由でもある「ボルトチェンジ」、ヒートロトムへの打点として「パワージェム」にしました。テラスタイプは崩し運用で一致タイプが欲しく、地面弱点を消したい場面が多くあったため「じめん」にしました。



③カイリュー

✓調整意図
アタッカー性能重視でAS特化

 AS鉢巻カイリューです。対面操作から展開するアタッカー1枠目で鉢巻と一致テラスの高火力、一貫の切りづらい飛行技により崩していくのが役割になります。特化鉢巻は受けられるポケモンでもギリギリなことがほとんどなので、対面操作技による削りを事前に挟むことで受け出しを許さない場合が多くなります。また相手のカイリューに対して投げていくポケモンでもあるため、ミラーの勝率を上げられるように準速まで伸ばしました。相手のカイリューには、対面操作技からこのポケモンに繋げば大体の型に対応できます。
 技構成はメインウェポンかつ非接触が強力な「テラバースト」、先制技の「しんそく」、鋼とテツノカイナを意識して「じしん」、ロトムへの打点とテラスタルを切らない場合を意識した「げきりん」です。特に「しんそく」の存在は重要で、ハッサムと併せて先制技による縛りを処理ルートに組み込むことができ、立ち回り幅が大きく広がります。テラスタイプはテラバースト用の「ひこう」です。



④イルカマン

✓調整意図
アタッカー性能重視でAS特化
S:イダイナキバ意識でS補正

 ASイルカマンです。対面操作から展開するアタッカー2枠目で、カイリューと攻めの補完が良く、先制技の存在により同様の立ち回りが可能なことから採用しました。持ち物は鉢巻がカイリューに回っていることから火力補強に神秘の雫を持たせました。ハッサムを使用するうえで、どうしても重くなる相手の炎テラスタルに対して自然と有利が付くため、アタッカー枠で最も選出したいポケモンになります。
 流行のセグレイブ軸に対してハッサムと併せて有利を取りやすく、クイックターンととんぼがえりを繰り返すことで、テラスタルのタイミングや引きに寄らず有利に戦いやすいです。そのため、スナノケガワを補う様子見要因としても使用できます。
 技構成は、最高打点の「ウェーブタックル」、上記の立ち回りのための「クイックターン」と先制技の「ジェットパンチ」、ドラゴン意識の「れいとうパンチ」です。テラスタイプは火力補強のための「みず」にしました。



⑤テツノブジン

✓調整意図
HB:無振りヘイラッシャのウェーブタックル2耐え
HD:C176テツノツツミのハイドロポンプ最高乱数切り耐え
S:最速パーモット抜き
C:あまり、なるべく高く

 CSベースのテツノブジンです。崩し枠として採用で、特にヘイラッシャを意識したポケモンになります。そのため、あくびをカットしながら殴っていけることと、構築で薄めな催眠対策を兼ねるラムのみを持たせました。ヘイラッシャを筆頭に単体で性能の高い受けポケモンが、攻撃的な構築にピン採用されているケースが多く見られたため、崩し枠はそれらに選出できる必要があり、このポケモンは高い素早さにより通しエースも兼ねられる点が評価点でした。
 技構成はメインウェポンの「ムーンフォース」、両刀による崩しができるように「インファイト」、ドヒドイデ、アーマーガア意識の「10まんボルト」、搦め手対策の「アンコール」にしました。構築全体で耐久上昇の積み技に弱いため、対策となる「アンコール」は必須でした。テラスタイプは崩しとしての側面を強めるために一致タイプの「フェアリー」にしました。



⑥マスカーニャ

✓調整意図
HB:特化キノガッサのテクニシャンマッハパンチ確定耐え
A:無振りガブリアスを確定2発
S:最速コノヨザル抜き

 ASベースのスカーフマスカーニャです。テツノブジンで崩し切れないポケモンや受けループの対策が必要なこと、ここまでで処理ルートが少ないテツノツツミを上から縛れるポケモンが欲しかったことから、スカーフによる縛りとトリックでの崩しができるこのポケモンを採用しました。高速とんぼがえりからクッションに繋ぎ、被弾を避けながら削っていく動きはシンプルに強力で、通しエースとしての運用も多くしました。この際に、初手の先制技で出落ちしないように耐久に厚めに振りました。地面タイプにも有利なため、このポケモンもスナノケガワを補う初手の様子見役にもなれます。
 技構成は、メインウェポンの「トリックフラワー」と「はたきおとす」、上記の立ち回りが可能な「とんぼがえり」、崩し技の「トリック」です。特性は「とんぼがえり」の火力を伸ばすことと、耐性変更により耐久振りが生きやすいことから「へんげんじざい」にしました。テラスタイプは、テツノツツミを見て選出するため、ブーストエナジーを考慮すると弱点を突かれないタイプにしたく、フェアリー弱点が消せることと、一部先制技に耐性の付く「ゴースト」にしました。副産物として、ゴーストタイプでのトリックは思わぬ形で勝ち筋を拾えることがありました。



選出

①様子見役 + ハッサム + アタッカー
+ +
 この構築の基本となる選出です。対面操作によりアタッカーの行動回数を増やし、相手のサイクルを疲弊させ、通りそうなポケモンの一貫を狙います。

②アタッカー + ハッサム + スナノケガワ
+ +
 明確に通りの良いアタッカーが居る場合や、初手を読んでアタッカーを合わせなければ厳しい場合にやる選出です。アタッカーをハッサムとスナノケガワで介護していく立ち回りをします。また、イルカマンは変身の都合上初手に投げたいので、この選出が最も活きやすいです。

③マスカーニャ + 崩しアタッカー2枚
+
 受け構築に対する選出です。マスカーニャのトリックが刺さった相手に応じて崩せそうなアタッカーをメインに動かします。

 これらが構築段階で想定している選出です。いずれも通りそうにない場合には、異なる選出をしますが、上記の選出時が最も立ち回りが安定します。

結果

TN:ブルーアイズ 最終44位 最終レート2192
TN:ミラディ 最高レート218x
TN:ヨハンナ 最高レート213x

Player:イカタコ(@ikatako94)様
TN:S☆イカタコ 最高レート2150
TN:ファイア 最高レート2130

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