SVシーズン5で使用した構築を紹介します。
【使用構築】
構築経緯
①初手要因のマスカーニャからスタート
今シーズンに追加された厄災ポケモンすべてに強い動きができ、前シーズンでも高い初手性能があったこだわりスカーフマスカーニャから構築をスタートしました。上からのとんぼがえりで削りを入れながら様子見したいため、後発には引き先となるポケモンを採用しました。
②引き先としてハッサムを採用
引き先として、氷やフェアリー耐性により受け出しやすいハッサムを採用しました。引き先となった後、後攻とんぼがえりによる対面操作によって、マスカーニャや後発のアタッカーを展開する動きを目指しました。その上で自身も高火力先制技の存在により通しアタッカーの役割が見込める点が評価点になります。
③アタッカー役としてカイリューを採用
対面操作から展開し崩していくアタッカーとして、こだわりハチマキを持たせたカイリューを採用しました。アタッカー性能に加えて、炎耐性と特性による強引な受け出し性能が重要で、ハッサムを受け出しにくい対面で直接受け出しやすいことが評価点になります。
④第2の初手要因としてイルカマンを採用
マスカーニャは自身より速いブーストエナジー持ちのパラドックスポケモンが重いため、それらに様子見の初手出しと、先制技による縛りができるイルカマンを第2の初手要因として採用しました。ハッサム、カイリューと併せて異なるタイプでの先制技での縛りができ、先制技をテラスタルによって透かされる展開を緩和できる点も重要です。
⑤崩し枠としてチオンジェンを採用
ここまでのポケモンが、受けポケモンへの崩し性能に貧しいため崩し枠が必要でした。そこで、対面操作からやどりぎのタネとちょうはつで汎用的に崩していけるチオンジェンを採用しました。
⑥対策枠としてイダイナキバを採用
ここまでで、ステルスロック+積みによる展開が重いため、ステロ展開の阻害やステロの撒き返しにより対等な勝負に持ち込めるイダイナキバを採用し構築を決定しました。
個体解説
①マスカーニャ
✓調整意図
HB:A172パオジアンのテラスタルこおりのつぶて確定耐え
A:なるべく高く
S:イーユイ抜き
耐久振りのスカーフマスカーニャです。厄災ポケモンに対してとんぼがえりによる撃ち逃げやトリックが強く刺さることから新シーズンのスタート点として採用しました。初手に出して撃ち逃げし、後発のハッサムと併せて削りながら対面操作を行い、相手を崩していくのが基本になります。その際に初手で先制技により出落ちしないように耐久に厚めに振りました。確定急所、アイテム奪取などの技の性質により基本軸で貧しい崩しや起点回避になり得る点も重要です。
技構成は、メインウェポンの「トリックフラワー」と「はたきおとす」、撃ち逃げ用の「とんぼがえり」、崩しと起点回避の「トリック」です。テラスタイプは、氷とフェアリー弱点が消せること、一部先制技に耐性の付くことから「ゴースト」にしました。
②ハッサム
✓調整意図
HB:特化珠ミミッキュのA↑2テラスタルシャドークロー確定耐え
HD:特化サーフゴーのシャドーボールでオボン確定発動
A:無降りミミッキュ確定+α
S:ミラー、ブラッキー抜かれ
HBベースのハッサムです。マスカーニャからの引き先としての採用で、受け出しからとんぼがえりによりアタッカーを繰り出していきます。クッションとなりながら、サイクル下での削りの如何によって剣舞バレットによるスイーパーに切り替えていく動きがメインになります。その動きを実現しやすい耐久厚めな調整でオボンのみを持たせました。環境に受けづらい低耐久ポケモンが多く、不利対面を作らない対面操作と先制技による縛りを両立する性能が、現環境と噛み合っていると感じました。
技構成は、上記の動きを成立させる「バレットパンチ」、「とんぼがえり」、「つるぎのまい」に加えて炎タイプとサーフゴー意識の「どろぼう」です。テラスタイプは炎とやけどに耐性がつくこと、フェアリー、草、鋼などのハッサムに欲しい耐性を残したまま動けることから「ほのお」にしました。
③カイリュー
✓調整意図
アタッカー性能重視でAS特化
AS鉢巻カイリューです。鉢巻+飛行テラステルによる高火力での崩しと先制技による縛りが役割となります。特性を含めた高い耐久から、受け出しからでもアタッカーになれる場面もある点が構築に噛み合っており、特にマスカーニャとハッサムに一貫する炎に耐性がある点は重要です。また相手のカイリューを崩すポケモンでもあるため勝率を高めるために準速まで伸ばしました。
技構成はメインウェポンかつ非接触が強力な「テラバースト」、先制技の「しんそく」、鋼とテツノカイナを意識して「じしん」、ロトムへの打点とテラスタルを切らない場合を意識した「げきりん」です。テラスタイプはテラバースト用の「ひこう」です。
④イルカマン
✓調整意図
HD:C187眼鏡ハバタクカミのテラスタルムーンフォースをナイーブ時に確定耐え
A:なるべく高く
S:コノヨザル抜き
ASベースのチョッキイルカマンです。第2の初手要因として採用で、マスカーニャを動かしづらく環境にも多いエナジー持ちのハバタクカミに対して動きやすいとつげきチョッキで採用しました。クイックターンの存在からマスカーニャ同様の動きを狙っていけます。チョッキ枠がテツノツツミに不利を取ると他での対処が難しいと感じたので、ナイーブのままでも勝てる格闘テラスタルで採用しました。ふいうちに耐性が付く点も重要で、環境で特に受けづらいと感じるハバタクカミ、テツノツツミ、パオジアン、イーユイに有利に立ち回りやすい点が強力でした。
技構成は、先制技の「ジェットパンチ」、撃ち逃げ用の「クイックターン」、テツノツツミの身代わりを意識した格闘技の「ドレインパンチ」、カイリューを意識した「れいとうパンチ」です。テラスタイプは、上記の「かくとう」です。
⑤チオンジェン
✓調整意図
C:なるべく高く
S:準速カイリューやその抜き調整意識で最速
CSチオンジェンです。崩し枠として採用で、対面操作により有利対面を作ることで壊しづらいみがわりを展開でき、やどりぎのタネとちょうはつにより汎用的に崩しができる点を評価しました。その際に、速いほどやどりぎ+みがわりによる崩し範囲が広がると思ったので最速にしました。またこの型で採用したときにサーフゴーを見るだけで出せないのは意味がないと感じ、Cを振り切り黒い眼鏡を持たせました。H振りサーフゴーを弱点+等倍で落とすことができ初手テラスされない限り対処できるので、カイリューと併せてむしろサーフゴーの崩しとして選出しました。やどりぎによる嵌めができない相手には殴りで削っていける点もサイクル回数の少ないこの構築と噛み合っていました。
技構成は上記の「やどりぎのタネ」、「ちょうはつ」、「みがわり」と特殊打点の「あくのはどう」です。テラスタイプはゴールドラッシュとフレアソングを意識し「みず」にしました。
⑥イダイナキバ
✓調整意図
襷で行動保障があるのでAS特化
最速カイリュー意識で最速
AS襷イダイナキバです。相手のステルスロック+積みの展開に対して、ちょうはつによる阻害や、ステルスロックの撒き返しをする役割として採用しました。この2つを両立できるポケモンの中で、この構築で重いガブリアスやテツノカイナと殴り合いができる点を評価しました。役割上選出時にはサイクルしづらいことが多いので、行動保障にきあいのタスキを持たせました。チオンジェンでの崩し展開で重いポケモンに総じてステルスロックが刺さる上に、挑発リレーにより展開阻害を継続できる点も高相性でした。一方でカイリューミラーでステルスロックの撒き合いをした場合に、あつぞこブーツで破綻することが多く、終盤は見えないブーツに怯えて選出しないことが多かったので要検討枠でもありました。
技構成はメインウェポンで非接触を重視し「じしん」、上記の「ステルスロック」と「ちょうはつ」、カイリューへの打点が必要だったのでインファイトが欲しいものの「アイススピナー」です。テラスタイプは「こおり」にしましたがほとんど切りませんでした。
選出
・様子見役 + ハッサム + アタッカー
+ +
この構築の基本選出になります。様子見役からハッサムを挟んで有利対面を狙い圧力をかけていきます。この選出を基本とし、様子見役をイダイナキバに変更したり、崩しが足りない場合にチオンジェンを出すように選出しました。
・イダイナキバ + チオンジェン + アタッカー
+ +
チオンジェンの障害が少ない場合にした選出です。ステルスロックを絡めることでチオンジェン対策の繰り出し回数を制限しアタッカーの後出しにより対処します。最後に削った相手をアタッカーで掃除します。
また、ディンルー入りに対し、カイリューを選出した上でステルスロックを絶対に撒かれたくない場合もこの選出になり、挑発リレーによるステルスロック展開阻害を行いました。
・チオンジェン + カイリュー
+
対受けループの選出です。どくびしを踏まないように初手チオンジェンを出して相手を削り、頃合いを見てカイリューに引いてテラバーストを連打します。対策されておらず今期は一度も負けませんでした。
結果
TN:ピンガ 最終25位 最終レート2142
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