初めに
ハッサムの単体としての性能については以下の記事を参考にしてください。
ハッサムを軸として構築を組む以上は、ハッサムの強い動きがたくさんできるようにすることを目指しています。中でも特に強いと思う動きが以下の3つです。
・後攻とんぼがえりによる対面操作
・バレットパンチによる高速アタッカーの縛り
・剣の舞によるスイープ
いわゆるクッションとしての動きであり、ハッサムとしてはメジャーな型になります。
7世代の構築記事ですが、僕がハッサムを使い続けることになったきっかけの構築であり、ハッサム軸を組む際は今でもこの構築の動きを目指して組んでいます。そのため、この記事を読んでいただければ、僕が言いたいことはもう終わりなのですが、一応僕なりの解釈を以下に書きます。
とんぼがえり安定の対面を沢山用意する
”後攻とんぼがえりによる対面操作”を活かすための前提として、まずハッサムがとんぼがえりを打つ必要があります。そして軸として採用する以上は、”有利対面での交換読みとんぼがえり”ではなく”安定行動でのとんぼがえり”を狙っていくことが勝率向上につながると考えています。上記構築から参考例を一つ紹介します。
VS
ハッサム+アーゴヨン VS ミミッキュ+リザードンを想定します。どちらも7世代ではメジャーな並びですが、やってない方向けにざっくり説明すると、リザードン>ハッサム>ミミッキュ>アーゴヨン>リザードン・・・という有利関係で理解して問題ありません。詳細は省きますが漫然と戦うとリザードン側が有利な印象です。これに対し上記構築では事前にステルスロックを撒き、アーゴヨンに毒Z(ミミッキュを1発で倒せるようになる)を持たせることで、ハッサムとミミッキュの対面でのとんぼがえりを安定行動になる強い動きに変換しています。ミミッキュが引いた場合リザードンとアーゴヨンの対面ができ、ミミッキュが突っ張った場合、アーゴヨンとミミッキュの対面になりますが、ばけのかわを剝がせているため有利対面になります。リザードン側が勝つにはハッサムへの引きに釣り交換でリザードンを合わせるしかないのですが、ステルスロックとアーゴヨンの身代わりによりケアしています。(加えて、リザードンに強くミミッキュに弱いガブリアスをステルスロック撒きとして採用し、上記の対面を作りやすくしています。)その他にも、記事にもあるメタグロス対面など多くのとんぼがえり安定になる盤面が用意されています。
この構築を見た際に、ここまで考えるものかと感銘を受けたとともに、この動きをすることでハッサムが強くなることを体感したため”とんぼがえり安定の対面を沢山用意する”ことを最重要視して構築を組んでいます。話を現在に戻します。とんぼがえりが安定行動になる条件は以下の2つを考えています。
①とんぼがえりで相手を倒せる対面
②とんぼがえりの削りにより裏のポケモンで対面のポケモンを縛れる場合
前提として、どちらもハッサムが倒されないという条件は当然あります。また、突っ張られた場合にハッサムが削られていいかを考える必要はあります。この①②のどちらかを満たした状態でとんぼがえりを押すことが本当の意味での対面操作だと僕は考えています。実際に僕が構築を考える場合は、この2つが狙えそうなターゲットを具体的に定めて、それに沿った取り巻きを選ぶようにしています。具体例としてレギュレーションCにて使用した並びを用いて説明します。
レギュレーションCのポケモンを眺めて、使用率が高そう且つとんぼがえりが押せそうなポケモンを探したところパオジアンが該当したので、まずパオジアンをターゲットに考えました。パオジアンとハッサムのダメージ計算を色々行ったところ、かみ砕くやテラスタルのタイプ変化の影響で後出しからのとんぼがえりは不安定だろうと考えました。そこで、スカーフとんぼがえりからハッサムを繰り出すのが良いのではと思い、採用を決めたのがマスカーニャ@こだわりスカーフです。とんぼがえりから繋ぐことでパオジアンは大きく削れるため①の状況を作ることができます。加えて、マスカーニャのタイプと襷がメジャーアイテムな都合上、かみ砕くやテラバーストが押されることが少ないと考えハッサムの後出しが成立しやすいと考えました。また、ハッサムとパオジアンの偶発対面において、電気や霊テラスタルで突っ張られた場合にも、後攻とんぼがえりからマスカーニャを繰り出すことで②の状況を作り出すことができます。この動きは実践でも十分成立していたので軸として採用しました。
また、ハッサムを使う上でいつも意識しているポケモンがミミッキュです。都合の良いことにミミッキュはどの世代でも使用率が高く且つハッサムのとんぼがえりを押しやすい相手です。そのためばけのかわを剥ぐことで上からミミッキュを縛れるポケモンは積極的に採用したいです。剣の舞を押されてる場合にも対応できるようかげうちに耐性があると尚嬉しく、マスカーニャはこれにも該当します。その他できるだけ多くのポケモンに対し①②の状況を作れるように取り巻きを選んでいきます。
また、対面操作を行う以上最も重要になるのが、相手の引きに対して合わせるポケモンです。ハッサムを消耗しながら対面操作により有利対面を作っているので、そこでは確実にアドバンテージを取っていく必要があります。最も分かりやすいのが高火力アタッカーで、受からない火力を持つポケモンの有利対面が作れれば一気に勝利に近づきます。その他には、有利対面でみがわりを残し嵌め系の技により不利対面を処理できるポケモンなども相性が良いと言えます。僕自身はこの枠を考えるのが苦手でS3~8に掛けてずっと鉢巻カイリューを軸にしています。ここが最も個性が出る部分だと思うので、新たな相性の良いポケモンを開拓していただき教えて貰えますと嬉しい限りです。
アタッカーと組ませる
”バレットパンチによる高速アタッカーの縛り”はハッサムの大きな強みの一つですが、それをメインに構築を組むことは僕は無いです。もう一度ハッサム+アーゴヨン VS ミミッキュ+リザードンを例に考えます。
VS
さきほどの例の場合、リザードンはステルスロックによりバレットパンチに後出しが怪しいため、ミミッキュをバレットパンチで倒すケースを考えます。この場合死に出ししてきたリザードンのニトロチャージの加速により裏のアーゴヨンごと倒され負けてしまいます。つまり、ハッサムとミミッキュの対面でミミッキュはハッサムの役割対象でありながら突破すると負け、アーゴヨンにミミッキュを処理させると勝ちという状況になります。
7世代の例ですが、似た状況は9世代に置いても多発します。これはハッサムの起点になりやすさに起因する問題です。”役割対象であってもハッサムで安易に突破せずとんぼがえりを絡めて後発で処理、アタッカーを常に場に残すこと”は立ち回りに置いて常に意識していることで、逆にバレットパンチで倒すことを前提にした動きは構築段階ではあまり意識しないということになります。
とは言えバレットパンチによる縛りが活きないわけでは全然無く、試合の終盤に特に活きてきます。他の後攻とんぼがえりを行うクッションポケモンと比較し、受け出し→被弾しながら後攻とんぼがえりを行い疲弊した状態でも、捨てのクッション以外にバレットパンチによる縛りの選択肢が残るのは大きな強みです。
これを活かすために意識していることは高火力もしくは高速アタッカーと組み合わせることです。ハッサムのバレットパンチで相手を倒す展開で起点にならないもっとも簡単な方法が全部ハッサムで倒すことです。高火力アタッカーにより相手を崩し、倒し損ねた相手をハッサムでスイープする場合がこれに該当します。また高速アタッカー≒スカーフアタッカーは1積程度なら上から縛ることが可能なので最悪ハッサムが起点になっても対処できるという意味で相性が良いです。この両方に重要になってくる技が剣の舞になります。クッションハッサムにおける剣の舞は前者でスイープ力を高めること、後者で複数回積まれる展開を防ぐ意味合いで採用しています。
終わりに
以上が僕がハッサム軸の構築を組む際に考えていることです。これが正しい組み方なのかはわかりませんが、初めに載せた構築記事に出合いハッサムが一番強いポケモンだと気づいてからは常にこの考えのもと構築を組んでいます。
また今回記事を引用したお二方は、僕がハッサムを使うにあたり常に参考にし目指している師匠のような存在ですが、2人に共通してハッサムが最強のポケモンだと度々言っているのを見ます。ハッサムはカッコよく人気なポケモンですが、それ故に強いと思ってないけど好きだから使っているという人も良く見ます。僕自身はハッサムが一番好きなポケモンというわけではなく、最強だと気づいたからずっと使い続けているためすごくもったいない考えだといつも思っています。
今シーズンは他にやりたいゲームがたくさんあり、ポケモンは休もうと思っているので、誰かがハッサム軸で結果を残してくれることを願っています、来月真似したいので。最後にここまで読んでいただきありがとうございました。
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